カリフォルニア・ロケット燃料とは、米国の高名な臨床精神薬理学者、スティーブン・ストール氏が提唱した、大胆かつ合理的な抗うつ薬併用療法のことである。...
メンタルクリニックの治療のメインは、その人に合った妙薬探しである。試行錯誤の末に、ピタリと薬が合うと急に良くなられることがありその報告を患者さんの口から聞く時は嬉しい瞬間である。...
昨年後半から、後発医薬品の供給混乱が続いていて、改善の目途が立っていません。昨年12月30日の日経新聞でも大きく記事として取り上げられました。...
リチウムに関しては、最近薬以外の利用法が脚光を浴びている。それはEV(電気自動車)などに使われるリチウムイオン電池の材料としての用途である。車がガソリン車から電気自動車に移行しつつある歴史的移行期である現在、リチウムも制する者が世界を制するとのことでし烈な資源争奪戦が繰り広げられている。最初の向精神薬であるリチウムの誕生から約50年の今感慨深いものがある。 私の勝手な説だが、人間の脳も一種の電池ではないか?人間は日々充電と放電を繰り返しながら生きている。睡眠は脳の充電であり、日中は活発に放電している。良い睡眠と適度な休息が精神安定にとても大事であると思う。 炭酸リチウム(リーマス)は現在では薬価が安すぎて、新薬販売全盛の現在では製薬会社として殆ど販促努力がされない古い薬になっている。 古典的な気分安定薬である炭酸リチウムの作用機序としていろいろな説があるが、まだはっきりと解明されていない。一方ではリチウムイオンは神経伝達物質の調整作用や神経保護作用に関わっているとの説もあり臨床上で基本的な薬である。私にとっては、今も双極性感情障害の人には第一選択の薬であり、不滅の輝きを持つ薬であると思っています。
最近、「涙が止まらない」という訴えの人が目立ちます。激しい精神的興奮(気逆)に伴う水逆(身体の中の水の逆流)により涙腺から涙が零れ落ちると考えられます。この様な方に当院では甘麦大棗湯(かんばくだいそうとう)という漢方薬が第一選択です。症状が強い場合は、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅっかんとう)というを薬を併せて処方する場合もあります(苓桂甘棗湯:りょうけいかんそうとう)。甘麦大棗湯は今から約1300年前(日本の弥生時代頃)の頃の中国の書物「金匱要略」に既に書かれている薬です。 この薬の面白いのは甘草(甘味料)と小麦、大棗(ナツメ)の3種の食品で出来ていて、薬の名前がそれを表しています。現代の様に沢山の精神安定剤がある時代とは違い、安定剤など何もない時代に食品を組み合わせて精神安定を図った古人の知恵に感服します。この薬が21世紀の現在まで生き残り、ストレス社会を生きる現代人にとって「なくてはならない薬」になっています。特に妊婦や授乳中の方の精神不安定には副作用の少なさから有用な薬です。これからも積極的に使って行きたい薬の一つです。
私の好きなこの故事成語は「自分の薬箱の中にある薬のように、自分の思うままに使える物」と言う意味で我々内科系の医者の為にある様な言葉だと思います。...
せっかく初診されても、いざ治療開始の段になって「薬を服用するのが嫌」と言われて、その後治療が続かない人が時々おられますが誠に残念な事です。...
プラセンタは胎盤のことであり、生命が育つのを助ける栄養物質がたっぷり含まれた胎盤は色々な症状に効く万能薬でもある。古代から西洋でも東洋でも使われてきた歴史があるが、固体での使用は安全性にやや問題があったようである。現代では、技術が格段に進歩し、プラセンタエキスとして安全に抽出され液体のアンプルとなっている。感染防止処理にも問題はなくほぼ副作用がない。人間の胎盤を使用できるのは医療機関だけである。私は漢方のセミナーで漢方薬の一つとしてのプラセンタの話を聴き、早速採用し自分やスタッフでも試し効果を実感して保険外治療薬とし導入したのはかなり前のことであるが、特に問題なく現在まで続いている。積極的に宣伝はしていないが、美容効果もあり肩こりなどにも効く為か一部の女性には根強い人気がある。 プラセンタ注射の費用はクリニックごとに違い、その値段でクリニックの患者さんに対する姿勢がある程度分かると思うが、当院はたぶん他院と比べたらびっくりするほどの安さであると思う。安心して続けてもらう為である。ご希望の方は、お気軽に受付にお申し出ください。
「男は敷居を跨げば七人の敵あり」という江戸時代からの言葉があるが、現代では男女限らず、外へ出ると強いストレスが待っている。私が、特に働くお父さんの為の薬がこの薬である。西暦で言えば、3世紀頃に「傷寒論」という本に記されているという記録があるので、薬自体はもっともっともっと前からあると思われます。...
臨床にとって、得意な薬をいくつか持って自分の手の内に入れておくことは大事であると思います。薬の錠剤は規格が限られた数しかないので普通は錠剤の倍数で徐々に足して行きながら経過を診ますが、その1錠の量が人によって多すぎる場合は錠剤でもわざわざ粉砕して投与する場合があります。...