カリフォルニア・ロケット燃料とは、米国の高名な臨床精神薬理学者、スティーブン・ストール氏が提唱した、大胆かつ合理的な抗うつ薬併用療法のことである。
具体的には、難治性うつ病に対するSNRI(サインバルタ、イフェクサー)とNaSSA(リフレックス)の併用療法である。SNRIの神経終末でのセロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害して結果的に両者を増やす作用と、NaSSAによるセロトニンとノルアドレナリンを能動的に増やす作用による相乗効果があり、抑うつ気分や意欲低下の改善につながる。結果的にドーパミンも少し増やすことになり、人間の精神状態を司る3種類のモノアミンを活性化する推進剤(ロケット燃料)として働くというたとえである。
NaSSAによるSNRIの副作用軽減効果、NaSSAによる抗ヒスタミン効果による睡眠障害の改善効果、食欲増進効果なども併せたクレバーな薬物療法である。
しかし、実際の臨床の場ではカリフォルニア・ロケット燃料を用いてもロケットが上手く飛ばない(良くならない)ことも往々にしてあります。その場合は、さらに抗うつ薬以外の燃料を加えて行く当院オリジナルのロケット燃料療法を行っています。
コメントをお書きください