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嗚呼トリプタノール

 今、諸般の事情で抗うつ薬「トリプタノール」の流通量が激減している。同薬は日本で2番目に発売された三環系抗うつ薬であり60年以上の歴史を誇る。その後、四環系抗うつ薬、SSRI,SNRIなど新しい抗うつ剤が発売され、とっくに滅んでも良いくらいの古さであるが、いまだ不滅の価値を持ち生き残っている。特に痛みに対して有効であり、副作用も多い薬であるが、腹を括って思い切った量を使うと他の薬が届かない様な慢性疼痛に効くことがある。その薬が現在では需要と供給の関係から手に入りにくくなり、少なからずおられる根強いフアンの患者さんにご迷惑をかけている現状である。

 最近、ふと私が気がついたのは、この薬の色は2剤型で色が違い鮮やかな水色と黄色の2色であり、それはちょうど「ウクライナの国旗」の色であるということである。今ウクライナもロシアに侵略されて苦境に陥っているが、反転攻勢転じようとしている所である。トリプタノールは、メーカーさんにとっては古すぎて製造しても儲からない薬であるが、社会貢献の観点からも増産を頑張って頂き、他に代えがたい魅力がある薬剤の反転攻勢をお願いしたいと思います。

ウクライナの国旗☟