エッセイ

エッセイ · 2023/09/13
 当院の患者さんも気分の波の中で生きておられる方が多いですが、当院も週により患者さんが多い週と少ない週があり波の中で診療をしています。今週前半は先月のお盆休みの関係で再診の方も新患予約のお電話も少なく、今日に至っては新患ゼロの凪の日でした。さすがに、患者さんが少ないと私も寂しく感じ、スタッフも黙って座っているだけの時間も増え何となく間が悪い瞬間も生じます。やはりクリニックは患者さんが多く来られて賑わっているのが生きた姿であると実感します。  今日の様に時間がある時は、溜まっている診断書などの書類を書いたりもしていますが、物を想う秋の充電時間でもあります。いつも、たまにこの様な日があると、猛烈に忙しい日がやって来ます。明後日からまた気合を入れ直して頑張ります!
エッセイ · 2023/08/30
 精神科の治療は、発症からなるべく早く症状を抑え込む初動が大事である。経験上、早く診て直ぐに投薬治療開始するほど早く良くなる。困っている人を一刻も早く救うということが一番大事なことであると思うので、当院では初診予約を他と比べて圧倒的に早く取れる様に鋭意努力している。その思いを「当院のモットー」として短文にまとめホームページの上の方の項目に掲げてみたのでご覧くださいませ。  年齢は段々重ねてきましたが、初めて医者になった時、初めて開業した時の初心を忘れず、これからも世のため人のために頑張りたいと思っています。
エッセイ · 2023/08/27
 精神科の診察で何をポイントに診ているか?のキーワードの一つは「首尾一貫」になります。  短期的評価としては、1回の診察の始めから終わりまで会話の中味や行動に首尾一貫性があるか?がポイントになります。質問に対して理路整然と答えられるかどうか?話があちこちに飛ばないかどうか?など診ていますよ。...
エッセイ · 2023/08/15
 精神科医は文筆業だと思います。患者さん一人一人が述べられたことを毎回、文章としてまとめるのが診療行為の半分位であると思います。特に初診の時は、ライフヒストリーから本日の受診に至るまでの経緯を起承転結を踏まえて、文章にまとめる「現病歴」と呼ぶ時間のかかる作文作業が必ず必要である。...
エッセイ · 2023/07/25
 学校が夏休みに入り、気のせいか学生さんや学校の先生の患者さんが増えている気もしている。夏休みと言えばプールであるが、誰でも最初にプールに飛び込んで泳ぐ時には勇気が要る。しかし、時には息継ぎに失敗して水を飲みながらも、見よう見まねでやっているうちにコツを覚えて段々と泳げる様になるものである。...
エッセイ · 2023/07/20
 例えてみると、総合病院や単科精神病院は乗客である患者さんも船員であるスタッフも大勢いる大型船である。当院の様な小さなクリニックは船長である医師は一人、乗組員であるスタッフも最小限の小さな舟である。 ...
エッセイ · 2023/07/03
 週末に、久しぶりの八事日赤研修医同期会に参加して来ました。20代の青い時代から60代のシルバー世代になっても皆んな変わらず元気でした。今では偉くなった同期もいますが、そこはフラットな関係でお互い「ちゃん付け」で話せるのは気楽で楽しい関係です。...
エッセイ · 2023/06/06
 当院を訪れる人の悩みの大半は仕事絡みのことです。人によっては今の会社の仕事を続けるのも悩みですが、仮に辞めたとしても次の仕事や生活をどうするかの不安が生じやすいです。無職で次の仕事探しに飛び込んで行く勇気が無く立ち止まったままの人もいます。当院に来られる人は、いわゆる世渡りが上手く行かず世間で躓く人が多く、私としては励ましながらも見守るしかありません。  人は人生の大半の時間を仕事の為に捧げることになるので、如何に働くかは如何に生きるか?という普遍のテーマにつながる問題であると思います。熱心に働くことも大事ですが、仕事ばかりにのめり込まず、健康や命以上に大事な仕事などありませんので「たかが仕事」と突き放して見る視点も大事かと思います。  私は運よく天職が見つかりその意味では幸せ者です。もし見つかっていなければサラリーマンとして会社や仕事に不満や愚痴を言いながらメンタルクリニックに通院していたかもしれません。仕事の事で悩んでいる皆さんも天職と言える仕事に早く巡り合えるかが、遠回りでも病気を治す近道かもしれません。昨日の夕暮れ時にそんなことを考えていました。
エッセイ · 2023/05/29
 患者さんとの診察でのコメントは即興の世界である。日々、出来るだけ短い印象に残るキーワードを言う様に心がけています。何を言うかは、その時降って来る感じです。気の利いた言葉が言える時もあるが、不発に終わることもあります。...
エッセイ · 2023/03/09
 人相見とは「人相によってその人の運勢を判断する職業」であるが、精神科医も日々患者さんを診て経験を積むと、お話を聴く前の診察室に入って来られた一瞬の表情でその時の精神状態をある程度読み取ることが出来る様になる。...

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