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精神科医は文筆業

 精神科医は文筆業だと思います。患者さん一人一人が述べられたことを毎回、文章としてまとめるのが診療行為の半分位であると思います。特に初診の時は、ライフヒストリーから本日の受診に至るまでの経緯を起承転結を踏まえて、文章にまとめる「現病歴」と呼ぶ時間のかかる作文作業が必ず必要である。

 再診の場合は、訴えが短い方は記載が比較的楽ですが、訴えが多い方や話があちこちに飛ぶ方の会話内容を短時間で要領よくまとめて電子カルテに打ち込むのは至難の業であります。加えて、当院診断書を除く自立支援医療診断書などの各種診断書や傷病手当金意見書などは全て手書きであり、日々診断書を書いてはスキャンして電子カルテに保存する作業の繰り返しです。

 患者さんにあらためて書類を取りに来て貰うお手間をおかけせず、診察後直ぐに持ち帰って頂ける様に短時間で書類を仕上げるのは大変な作業です。手書きで急いで書く時は自分の筆圧に合ったボールペンでないとスムーズに書けないので、私は「ぺんてるHybridボールペン」を愛用しています。 

 普段のカルテ記載作業は文章鍛錬の場でもあります。それゆえブログの文章を書く位のことは、ネタさえあれば苦も無くいくらでも書ける気がしますが、普段は忙しくて書く時間がなかなか取れません。今回は台風の関係で空白の時間が生じてまとめて文章が書けました。