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ゴッホの黄色は光

12月14日に中日文化センター、名古屋市美術館参与の深谷氏の講演会「ゴッホよ永遠に」に参加して来ました。氏によると、ゴッホやは知的レベルに優れ絵よりも先に手紙の文章が感動的で優れていることで有名になったとのこと。また彼は非常に敏感な性格で、人付き合いが上手く行かず職を転々としていたとのこと。父親の職業である牧師にも一時なったが長続きせず、最後に行きついたのが画家になること。画家になってからも、ゴーギャンとの同居生活の例でも分かる様に人間関係に躓き精神を病み、絵も生前1枚しか売れず生活にも困窮し最後はピストル自殺をするなど悲劇的な人生だった。

   ゴッホの精神科的診断については双極性障害やアルコール依存症、てんかんなど諸説ある。精神科診断は合併するので複雑で、しかも後付け診断になるので今だに確定はしていない。しかし、その生き方を見てみると明らかに自閉症スペクトラム障害やADHDなどの発達障害傾向があり、気分変動やアルコールは二次的な症状にも思えます。彼の症状のプラス面が芸術に昇華して短期間で爆発的な作品数を描いたと思われます。いわゆる天才である。

 深谷氏によると、ゴッホの絵には必ず何らかのメッセージが含まれており、黄色は「光」もう少し踏み込んで解釈すると「神の光」を現すと考えられる。例えば今、神戸に来ている「夜のカフェテラス」の黄色は単なる照明では無く、人々に降り注ぐ神の光を象徴すると思われるとのこと。「ひまわり」や良く描かれる「太陽」や「星」の黄色しかりである。来年1月から愛知県美術館で開催されるゴッホ展に出品される「種まく人」の農夫は貧しい人を救う伝道師を象徴し、頭の後ろにある光は「光背」を現すと考えられるとのことである。

 今年から来年にかけて日本でもゴッホ展が3つも開催されるほど人気があるのはなぜか?絵自体が素晴らしいのはもちろんですが、私が思うには①絵の中に含まれている貧しい人を救う神からの「希望のメッセージ」は我々を励ます永遠のテーマであること。②我々の中にも少しはある発達障害的な面から来る何事も上手く行かない「生きにくさ」に満ちたゴッホの人生への共感、③牧師にはなれなかったが生涯を貧しい人共に生きることをテーマとして絵の道で努力を積み重ねたが報われず、生前は弟以外の人の愛にもあまり恵まれずに不幸にして人生を終わったはずが、死後弟テオ夫人ヨーの献身的な愛が実り爆発的な評価を受ける「再生の物語」への共感などが考えられます。

 今回の大ゴッホ展は阪神淡路大震災から今年で30年、東日本大震災から来年で15年となるので震災復興の為に企画されました。被災された人々に希望を与える為に神戸や福島を巡回します。ゴッホの絵の光が兵庫や福島だけでなく、その後起こった能登半島などの各地で被災された方を少しでも照らし「再生」されることを願っております。

 同時に当院でも悩む患者さんに希望をの光で照らす様な医療が出来る様に心がけたいと思っています。

 

         

種まく人 1888年 ファン・ゴッホ美術館☟

《ひまわり》☟ SOMPO美術館で撮って来ました。作品保護の為に照明は暗めでした。