診察のリズムは序破急

長いこと精神科の診察構成は「起承転結」であると思っていましたが、それでは長すぎるとも思っていました。最近、世阿弥の「風姿花伝」の関連本を多く読み、精神科の診察は「序破急」の三部構成の方がリズムが良いと気づき腑に落ちました。

「序」とは、患者さんをお呼びして招き入れ挨拶をして話を起こす導入部分。「破」とは、診察の本体部分であり、お話をお聴きして今日の状態を評価して治療プランを考える部分、「急」とは処方や助言をして次回の予約を取り、今日の別れの挨拶をしてお見送りをする迄のまとめの部分である。

 「序破急」はどんな接客業にも共通して大事なことだと思いますが、特にメンタルクリニックの診察は、少なからず短いドラマ性を含んでいるので、この3部構成は基本とすべき大事な型であると思います。

 当院の受付から診察室に向かう廊下は診察室という「本舞台」に向かう「橋掛かり」にも思えて来ました。マンネリズムに陥らない様に、今日の診察は一期一会であると言う気持ちで頑張りたいと思います。