年末に星野哲郎さんの評伝を読みました。星野さんの演歌は援歌であり、人生の応援歌であります。昭和41年発表の「いっぽんどっこの唄」は我々男の応援歌でありますが、一年の始まりにあらためて聴きたい曲は、昭和43年に水前寺清子の歌で発表された「三百六十五歩のマーチ」です。
この歌は、星野さんが船乗りをしていた時に、腎臓結核になり故郷の周防大島に帰り4年に及ぶ療養生活を送り、「あのころは、今日死ぬか明日死ぬかと思い続けていた」頃の万感の思いが込められています。作者自身が「その前にもその後にも多くのとも歌を作詞していますが、みんなあの歌から出発している」と言う「作詞の原点」です。その思いは、50年以上経った今も曲を聴く我々の魂を打ち、不滅の輝きを感じさせてくれる名曲であると思います。
全ての歌詞をここに書くことは出来ませんが一部抜粋します。
しあわせは歩いて来ない
だから歩いてゆくんだね
三歩進んで二歩下がる
しあわせの扉はせまい
だからしゃがんで通るのね
ままになる日もならぬ日も
しあわせの隣にいても
わからない日もあるんだね
一歩違いで逃がしても
千里の道も一歩から始まる
ことを信じよう
など。
簡潔ながら深い意味を含むこの歌詞は、弛むことなくこの1年を元気に歩んで行こうという気にさせてくれます。
私の日々の仕事は、その日来て頂いた患者さんに元気を持ち帰っていただくことであり、患者さんの人生を応援することです。それは援歌のこころに通じるものがあると思います。
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