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キーワード診察

 精神科の治療の二本柱は薬の投薬と言葉による治療です。患者さんが多くて次の方が沢山待っておられると、どうしてもプレッシャーを感じて短時間での診察になりがちですが、短い時間の中でも常に「その人にとっての今のキーワードは何か?」ということを常に頭に入れて診察しております。

 例えば、仕事や家事に頑張りすぎている人には「マイペースで」とか「休みの日には気分転換を」、社会の壁に突き当たり悩む若い人には「チャレンジを!」など、短い言葉で患者さん頭にしばらく残る様なキーワードを投げかける様に心がけています。「大丈夫」が当院の基本姿勢です。「調子いいですね」が続くといずれ減薬と考えています。

 軽いと思われる方もいるかと思いますが、短時間で沢山の患者さんを診て行かないと運営が成立しない現在の精神科保険診療の限界でもあります。過去のトラウマとか家族の葛藤など重い問題を根っこに抱えている人は、一人の話をじっくり長時間傾聴して下さる様な心理師さんに自費診療でご紹介することもあります。