来週23日から名古屋市美術館で「ゴッホ展」が開催される予定ですが、それに先立ち中日文化センターで名古屋市美術館の深谷参与のお話を伺って来ました。ゴッホと言えば、自分で耳を切り落として精神病院に入院したり,最期はピストル自殺をするなど、一般的には危ない人とのイメージがありますが、ゴッホの日記の研究分析から実際は多言語を話す極めて常識的な人であった様です。むしろ真面目過ぎるほど真面目な人で、その為にかえって人と上手くやっていけず、常に生きにくさを感じながら生き、最終的には自殺という破局的結末につながったとのことでした。彼の苦悩を昇華した作品が後世に天才の作品と評価され、現在の展覧会人気にもつながっています。
日々精神科の診察をしていると、その人の「病前性格」というものが症状の発現の仕方に大きく関係していると実感します。一般的には真面目は長所にもなりますが、それが過ぎると融通が利かなくなり短所にもなりえます。苦難の多い人生行路を乗り切って行くのには柔軟なバランス感覚が大事だと思います。
我々精神科医もゴッホの人生と作品から学ぶべき事は多いと思います。本物を観れる展覧会が待ち遠しいです。
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