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粗製乱造

 昨年後半から、後発医薬品の供給混乱が続いていて、改善の目途が立っていません。昨年12月30日の日経新聞でも大きく記事として取り上げられました。

 元をたどれば、国による医療費削減目的の先発品から後発医薬品への遮二無二な切り替え政策➝利益誘導による発医薬品製造メーカーの乱立➝後発医薬品の粗製乱造➝異物混入で死者まで出した小林化工などいくつかの会社で不祥事の連続➝他の後発品メーカーでも生産トラブル➝後発品に頼っていた薬品供のの不足、先発品メーカーでも生産が直ぐに増やせず、300品目での供給不足➝臨床現場で「いままで普通に服用していた薬がない」という事態が生じています。記事によると供給不足の解消には2年はかかるとの説もあります。

 当院関連でもデパケンRやフルボキサミンなどの薬は先発品・後発品とも入手困難です。それ以外にも、後発品だけ入手困難の薬が沢山ありますので臨床現場でも混乱が生じています。患者の皆さんも処方箋を貰ったはよいが薬局に行くと薬が無いということが、今後しばらくあるかもしれませんのでご注意ください。

 以前、先発品から後発品に切り替えた患者さんから「何か違うので前のに戻して」と言われたことが何度かありました。成分は同じはずなのに?と首をひねった記憶がありますが、今から思うと粗悪品が混じっていた可能性があります。

 この問題は、他のマスコミにあまり取りあげられていない様な気がしますが、患者・医者・薬局さんの間の信頼関係を揺るがす大きな問題であります。期待できないとは思いますが、厚労省から政策失敗に対する反省の弁が聞きたいものです。