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にもかかわらず生きて行く

日々の診察の中で、患者さんから「もう死にたい」と言われることがよくある。究極の現実逃避発言である。ぼやきの場合もあるが、本当のサインである場合もあるので見極めが大事である。

 その方その方で個別の悩みがあり、その問題が解決しないといつまでたっても気分は晴れないし、その問題は容易に解決しない場合も多いが、その場合でも当院では私や看護師はもちろん、事務スタッフも患者さんの悩みに寄り添う姿勢で接します。薬は対処療法に過ぎない場合もあるが、当たるとその人にとって特別なギフトになる場合もある。

 精神の病気は重い病気もあり、ずっと付き合って行かなければいけない病気もある。仕事も人生も上手く行かず、生きにくさを感じて死にたくなったり、世の中不公平だと嘆きたくなることもあると思いますが、「にもかかわらず生きて行く」という不屈の気持ちが大事であると思います。