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ミレーの生き方に学ぶ

 岐阜県美術館で開催中の「ミレーから印象派への流れ」展を観に行ってきました。ジャン=フランソワ・ミレーはノルマンディー地方のシェルブール近くの出身ですが、ミレーの若い頃の貴重な絵が郷里のトマ=アンリ美術館から来ていました。他の出品作の属する他の3館もフランスやイギリスの地方の普段は観られない様な美術館で貴重な機会ですが、10月21日で日本の巡回展を終えて本国に戻って行きます。

 ミレーは画家を目指してパリに出ますが芽が出ず郷里に戻り、肖像画家になりますがそこでもシェルブール市とのトラブルもあり挫折の日々。結婚して妻を連れてパリに戻りますが、2年後に妻を亡くすなど不遇の前半生でした。一旦郷里に戻った後で再度パリに戻り、その後パリ近くのバルビゾン村に仲間と行きました。仲間が風景画を描く中でミレーだけは、風景の中の農民の姿をヒューマニズムの観点から農民画を描きました。今までありそうでなかった農民の生活に真摯に向き合った独自の絵は、革新性があり徐々に評価され後に世界の大美術館がこぞって作品を持つ程の巨匠になり、ゴッホを始め後世の画家に多大なる影響を与えました。

 精神科医の癖で、絵を観る時も背景にある画家の人生を観てしまいますが、ミレーのめげない生き方や人がやらないことを批判されても貫く生き方に学ぶものがありました。我々も色々あっても挫けず前を向いて生きて行きたいですね。