リチウムに関しては、最近薬以外の利用法が脚光を浴びている。それはEV(電気自動車)などに使われるリチウムイオン電池の材料としての用途である。車がガソリン車から電気自動車に移行しつつある歴史的移行期である現在、リチウムも制する者が世界を制するとのことでし烈な資源争奪戦が繰り広げられている。最初の向精神薬であるリチウムの誕生から約50年の今感慨深いものがある。
私の勝手な説だが、人間の脳も一種の電池ではないか?人間は日々充電と放電を繰り返しながら生きている。睡眠は脳の充電であり、日中は活発に放電している。良い睡眠と適度な休息が精神安定にとても大事であると思う。
炭酸リチウム(リーマス)は現在では薬価が安すぎて、新薬販売全盛の現在では製薬会社として殆ど販促努力がされない古い薬になっている。
古典的な気分安定薬である炭酸リチウムの作用機序としていろいろな説があるが、まだはっきりと解明されていない。一方ではリチウムイオンは神経伝達物質の調整作用や神経保護作用に関わっているとの説もあり臨床上で基本的な薬である。私にとっては、今も双極性感情障害の人には第一選択の薬であり、不滅の輝きを持つ薬であると思っています。
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