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箱根アートの旅・ポーラ美術館

仙石原のポーラ美術館の「CONNECTIONS 海を越える憧れ、日本とフランスの150年」展にも行って来ました。同館は、一部の作品を除いて自由に写真が撮れるという開かれた美術館です。優れた西洋絵画は何度観ても素晴らしいです。日本とフランスの「美の往還」をがテーマの見どころ満載の展覧会ですが、長年行方不明であり近年発見されたラファエル・コランの「眠り」が初来日して愛弟子黒田清輝の「野辺」と120年ぶりに邂逅して横並びに展示されていたのが一番印象的でした。ポーズやシチュエーションはよく似ていますが、微妙な違いがあります。

 コランの描く少女の白い肌に比して黒田のやや湿気をおびた肌は西洋と東洋の気候の違いでしょうか?コランの少女は目を閉じて受け身ですが、黒田の方は目を見開いて左手に花を持ち眺めており、下半身を隠す布を手で持つなど能動的です。先生を真似ても同じには描かないぞという、日本の洋画の父・黒田のエネルギーを感じます。アートから明日へのエネルギーを貰って帰ってきました。

ラファエル・コラン「眠り」1892年☟

黒田清輝「野辺」1907年☟