今日は東日本大震災から10年になるメモリアル・デーです。その後も、全国各地で色々な災害や疫病が起きています。我々人間は悲しいかな「喉元過ぎれば熱さを忘れる」面も持っています。他人事と思わず、いつかは自分にも降りかかるかもしれない自分事と考え、日ごろから身を慎んで用心して暮らして行きたいと思っております。
この額は、普段は院長室にあります。昔、東京で多くの芸術家の方がそれぞれ一品ずつ出品されて行われた「東日本大震災のチャリティー展覧会」に、当院の刻字額でおなじみの安藤豐邨先生が、「心齋」のもう少し小ぶりの額を出品されましたのをたまたま私も拝見しました。その時は入札する勇気はなく、帰って来てから安藤先生にその旨を話したところ、この前作より大きい額を私の為に作って頂きました。「震災」と「心齋」がかけてありますが、齋には「心身を慎む、清める」などの深い意味があります。
精神科の初診の診察は、相手と初対面で頭の中だけで診断をしなければならない立ち合いの様な独特の緊張感があり、診察の前に気持ちを落ち着ける為に時々この額を診ています。私の座右の額です。
齋の字が飛び立つ鳥の様にも見える躍動感、少し遠くから見ると凹が凸に見えるなど立体感もあり小品ながらも秀作であると思います。
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