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年末の第九

昨日は第九の一日でした。午後から宗次ホールで若き二人のピアニストによる2台のピアノによる第九演奏を聴きました。お二人にとっても初の初の試みであり、白熱の演奏に感動し心からの拍手を送りました。ピアノ版はベートーヴェンの曲のリストによる編曲であり、オーケストラ版をピアノ演奏だけにまとめ上げるリストの才能の凄さをあらためて知りました。

 夜にはNHKBSで合唱付きのロンドン交響楽団演奏の第九を聴きました。第四楽章の合唱はこの曲の神髄であり、歌詞の意味を知ると今年の年末は例年以上に心に響くものがあります。第四楽章の途中から始まる合唱部分のシラーの「歓喜の歌」では「歓喜よ、あなたの魔法は、時の流れが分断したものを再び結びつける、そしてすべての人は兄弟となる。あなたの柔らかな翼が羽を休める場所で」は、今年のコロナウイルスで分断された世界や人々の結びつきは来年以降はきっとコロナウイルスが退散して再結集すると希望を感じました。

 その後に出てくる「創造主の存在を感じるか、世界の者たちよ星空の上に神を求めるのだ!星空の彼方に必ず聖なる父は住まわっていらっしゃる」という部分は、帰宅途中に西の星空に木星と土星の約4百年ぶりに最接近を肉眼で見て、その偶然性に、もしかして創造主からの分断から再結集へのメッセージではないか?と感じました。来年はきっと今年より良い年になる!との確信を抱きました。

 今年一年を振り返りながら明るい来年を願うという、年末に第九を聴く意味が分かった一日でした。

 

木星と土星の大接近