日曜日は三重県菰野町にあるパラミタミュージアムで開催中の須田剋太展を観にに行ってきました。具象と抽象の両方の絵を描かれた人で、司馬遼太郎の『街道をゆく』の挿絵を担当されたことでも有名です。書も人生の後半で独学で学ばれました。街道をゆくの原画も良かったですが、下手でもよいと開き直って書かれた画家の書は迫力があり心を打たれるものがありました。写真撮影OKだったので何点かをご紹介します。
「生苦(しょうく)」:
須田画伯は道元に傾倒しておられたこともあり、仏教用語です。四苦八苦の一つ。仏教的には「生まることに起因する苦しみ」ですが、これはアート作品ですから私には「生きる苦しみ」と取れます。最近は、当院の患者さんでも生きづらさを訴える人が多く、含蓄のある言葉です。
「激」と「不動」:会場の出口に近くに置いてありました。もっと激しく生きろ、不動心を持てと激励されて帰ってきました。皆様もこれを観て元気を貰ってください。アートとは芸術家が亡くなった後も、我々に生きる力を与えてくれます。作品がある限り芸術家は作品の中に生きているとも言えるでしょう。
明日の元気を貰い帰宅の途に就きましたが、菰野の空には、どこの国の国旗にもない白・赤・青の三色旗パターンの夕焼けが見えました。展覧会を観て『街道を行く』の大部読破に挑戦したくなりました。
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